Wi-Fi 6とは?概要や4つのメリットを解説

スマートフォンの普及によって、日常生活に欠かすことのできない存在となったWi-Fi。今や家庭での利用はもちろん、観光客が多い街中や、ホテル、カフェなど、外出先でもWi-Fiを利用できる場所が増えています。

さまざまな場面で利用されているWi-Fiですが、接続する場所によって、通信速度に差を感じることも多いのではないでしょうか。それは、Wi-Fiには複数の通信規格があり、その種類によって通信速度や周波数帯が異なるからです。現在、6つの通信規格があり、今、最新の規格となっているのが、2019年に登場した「Wi-Fi 6」です。

今回は、最新規格であるWi-Fi 6の概要をわかりやすく解説するとともに、そのメリットについてご紹介します。

Wi-Fi 6とは?

Wi-Fi 6とは

無線LANの一種であるWi-Fiは、1997年にアメリカで誕生した標準規格で、その後、周波数帯や通信速度の改善が行われてきました。スマートフォンでいえばiPhoneのように、第1世代から始まり、定期的に最新の規格が策定されています。その名の通り、第6世代目となる「Wi-Fi 6」は従来のものと比べてどこがどう違うのかを詳しく見ていきましょう。

Wi-Fi 6はWi-Fi最新規格の愛称

そもそもWi-Fiとは、アメリカに本拠を置く「Wi-Fi Alliance」(ワイファイ・アライアンス)という団体によって定められた登録商標です。Wi-Fiという名称が登録される以前は、アメリカの電気・情報工学・通信分野の学会である「IEEE」(アイ・トリプル・イー:Institute of Electrical and Electronics Engineers)によって定められた「IEEE 802.11」という名称が用いられてきました。しかし、この呼び名だと広く浸透しにくいため、一般的に覚えやすくする目的で、Wi-Fi Allianceによって「Wi-Fi」と命名されたのです。

Wi-Fiが全世界で爆発的に広まってからも、規格の正式名称には「IEEE 802.11」が用いられています。例えば、Wi-Fi第1世代の「IEEE 802.11」以降の規格は、「IEEE 802.11a」や「IEEE 802.11b」など、末尾にアルファベットを付けた名称となっています。この規格の区別をよりわかりやすくするために、第4世代は「Wi-Fi 4」、第5世代を「Wi-Fi 5」、第6世代となる「IEEE802.11ax」を「Wi-Fi 6」としました。

これまでのWi-Fiとの違い

Wi-Fiは規格によって、周波数帯や最大通信速度が異なります。まずは、一般的に普及している第2世代から最新のWi-Fi 6までの違いを見ていきましょう。

世代

規格名

周波数帯

最大通信速度

2

IEEE802.11a

5GHz

54Mbps

2

IEEE802.11b

2.4GHz

11Mbps

3

IEEE802.11g

2.4GHz

54Mbps

4

IEEE802.11n (Wi-Fi 4)

2.4GHz/5GHz

600Mbps

5

IEEE802.11ac(Wi-Fi 5)

5GHz

6.9Gbps

6

IEEE802.11ax(Wi-Fi 6)

5GHz

9.6Gbps

GHz(ギガヘルツ)とは周波数帯の単位で、Wi-Fiでは5GHzと2.4GHzの2つの周波数帯が使われています。

また、通信速度の単位であるbps(ビーピーエス:bit per second)は、第3世代までは54Mbpsが上限でしたが、第6世代のWi-Fi 6では9.6Gbpsと上限値が100倍以上に向上しました。

これらの情報を踏まえて、1999年に登場した第2世代から最新規格のWi-Fi 6を比較すると、最大通信速度がぐんと上がっていることがわかります。現在、Wi-Fiの規格で主流となっている第4世代のWi-Fi 4と第5世代のWi-Fi 5間でも10倍以上の速度差があり、さらにWi-Fi 6はWi-Fi 5の約1.4倍の速度を誇っています。このように速度差からもわかるように、快適にインターネットを利用するならば、最新規格に接続しているかどうかが大きく関係してくるのです。

Wi-Fi 6と5Gの関係は?

Wi-Fi 6のほかに高速通信に関連する話題といえば、「5G」(ファイブジー:5th Generation)という名称が広く知られているのではないでしょうか。5Gとは次世代移動通信規格のことで、日本では2020年から大手電気通信事業者が本格的にサービスを開始しました。第6世代の規格であるWi-Fi 6のように、5Gも「第5世代移動通信システム」の略称となっています。

では、5GとWi-Fi 6はどのような関係なのでしょうか。簡単に解説すると、5Gは移動通信システム=モバイルネットワークであるため、街中や交通機関など屋外での利用に適しています。一方で、Wi-Fi 6は無線LAN規格=ワイヤレスネットワークであるため、家庭やオフィスなど屋内での利用に適しているのです。

高速かつ大容量の通信を屋外で利用できる5Gですが、現在インフラの整備が不十分であることなどから、いくつかの問題を抱えています。主に、電波が届きにくい、バッテリーを消耗させるといった弱点があるのです。そこで、5Gの弱点をカバーするのが、屋内ネットワークであるWi-Fi 6の導入です。
Wi-Fi 6には安定した高速通信のほか、多接続での遅延解消、接続端末のバッテリー消費の抑制といった特徴があります。これらの利点を活用すれば、5Gの弱点を補いながらさらに利便性を向上させられるのです。Wi-Fi 6と5Gをかけ合わせることで、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)による多接続など、最新の活用法を快適に利用することができます。

Wi-Fi 6の4つのメリット

Wi-Fi 6の概要について解説してきましたが、ここからはもう少し具体的にWi-Fi 6の特徴について見ていきましょう。Wi-Fi 6には大きく分けて「高速通信」・「2種類の周波数帯」・「多接続に強い」・「省エネ」の4つのメリットがあります。これらのメリットが、私たちが生活する上でどのように役立つのか、詳しく解説します。

通信速度が速い

まず、最もわかりやすいWi-Fi 6の特徴が通信速度の速さです。先ほどの表でも紹介したとおり、Wi-Fi 6は最大通信速度が9.6Gbpsと従来の規格の中でもダントツの速さを誇っています。前世代のWi-Fi 5が登場したときも通信速度の速さが話題となりましたが、それよりも約1.4倍もの高速化を実現しています。

では、具体的に高速通信によって何が便利になるのでしょうか。最も身近な例を挙げると、パソコンやスマートフォンでファイル・画像などをアップロードやダウンロードする際の時間を短縮できます。通信速度が遅い環境だと、LINEで画像や動画がなかなか送れない、動画の再生が思うようにいかないといった経験をしたことがあるのではないでしょうか。 昨今では、4Kや8Kといった高解像度の映像が増えたことで、高画質化・高音質化が進み、スマートフォンで消費する動画容量も大きくなっています。このような映像通信においても、Wi-Fi 6を利用すればサクサク視聴することが可能です。年々通信速度の重要性が高まるなかで、Wi-Fi 6の特徴である高速通信は最大のメリットともいえるでしょう。

2種類の周波数帯で利用可能

次に、Wi-Fi 6のメリットといえば周波数帯が2種類利用できるということ。Wi-Fi 6は2.4GHzと5GHzの周波数帯に対応しており、状況によって使い分けが可能です。まずは2つの周波数帯の違いから見ていきましょう。

2.4GHzは障害物には強いものの、電子レンジやIH調理家電などの電化製品の影響を受けやすいという特徴があります。そのため、家庭内で使用する際には家電との兼ね合いを考えなければ、通信速度が下がってしまうケースもあるのです。 反対に、5GHzはWi-Fi専用の周波数帯のため、他の電化製品の影響を受けにくいのですが、障害物には弱いといった特徴があります。

このように、2.4GHzと5GHzはそれぞれ得意な環境が分かれていますが、Wi-Fi 6は両方の周波数帯に接続できるので、利用状況に合わせて周波数帯を選択すれば、それぞれの特性を生かした快適なネットワークを利用することができるのです。

複数台同時接続に強い

家電のスマートホーム化が進み、冷蔵庫や洗濯機などのIoT家電が急速に普及し始めています。これにより、一般家庭でもスマートフォンやパソコンだけでなく、複数の機器がWi-Fiに同時接続されるようになったのです。しかし、これまでのWi-Fiは複数の機器が接続することにより、通信速度が下がり、通信がつながりにくくなるといった状況に悩まされていました。実は、Wi-Fi 6の接続機能はこのような問題も解決しています。

Wi-Fi 6には「OFDMA」(Orthogonal frequency-division multiple access:直交周波数分割多元接続)という接続機能が採用されており、高密度な環境でも利用効率を上げるといった技術が適用されています。そのため、同時に複数台が接続しても処理速度が落ちないという特徴があるのです。スマートホーム化する現代家庭において、大きなメリットだといえるでしょう。

また、複数台のパソコンを使用するオフィスのほか、観光客が集まる駅や商業施設など複数の機器が集まる場所でも、Wi-Fi 6であればスムーズに利用することができるといったメリットもあります。

省エネ

最後にWi-Fi 6の4つメリットのなかで、最も特徴的なのが「省エネ機能」です。高速通信や多接続といった最新システムが採用されていることは、比較的知られている情報でしょう。大容量高速化を実現したWi-Fi 6ですが、実はとても省エネな一面を持っているのです。

Wi-Fi 6には、通信のタイミングをコントロールする「TWT」(Target Wake Time)という省電力機能が付いています。この機能の仕組みは、接続している端末へのデータの送信間隔を調整し、無線ルーターと端末のパワーセーブを同期するというもの。つまり、Wi-Fi 6に接続しているアクセスポイントとスマートフォンならば、使用していないときは自動的にスリープモードに移行してくれるという省エネ機能です。

Wi-Fi 6を利用することで、スマートフォンなどの端末の消費電力を軽減し、結果的にバッテリーの消耗を抑えることができます。パソコンやスマートフォンだけでなく、IoT家電にとってもバッテリーの寿命を延ばすことは重要なメリットとなってくるため、Wi-Fi 6の省エネ機能はさまざまなコスト削減につながるといえるのです。

Wi-Fi 6未対応の機種で Wi-Fi 6は使える?

Wi-Fi 6未対応の機種でWi-Fi 6は使える?

最新規格であるWi-Fi 6対応のスマートフォンは、すでに各社から販売されていますが、まだまだ未対応機種の使用率が高い状況です。Wi-Fi 6未対応機種はWi-Fi 6を使えるのだろうか?という素朴な疑問にお答えします。

結論からいうと、Wi-Fi 6未対応機種でも、Wi-Fi 6に接続することは可能です。Wi-Fiの規格は下位互換性があるため、最新規格であっても古いモデルのスマートフォンに対応しています。しかし、注意すべき点は、未対応機種はWi-Fi 6のメリットである高速通信などの恩恵は受けられないということ。Wi-Fi自体の利用はできますが、Wi-Fi 6の機能が受けられるわけではありません。あくまでも、Wi-Fi接続が可能というだけで、最新機能を活用したいときは、Wi-Fi 6対応の機種に変更する必要があります。

近年、Wi-Fi 6に対応したスマートフォンや機器が増えていますが、販売価格が高額であるというデメリットがあります。しかし、今後スマートホーム化が進むなかで、Wi-Fi 6対応のデバイスがますます増加していくことが予想されます。今後のWi-Fi 6対応機種の動きに注目しておきたいところです。

コミュファ光のメッシュWi-Fiでより快適なネット環境に!

自宅のWi-Fi機器をWi-Fi 6対応機器に買い替えたいときには、コミュファ光の「メッシュWi-Fi」がおすすめです。メッシュWi-FiはWi-Fi 6に対応しているため、自宅の通信環境を最新機能にすることができます。

メッシュWi-Fiは、2台(親機と子機)のWi-Fi機器を設置することで、電波を網目のように張り巡らせ、Wi-Fiの死角をなくし、自宅内すべてのエリアで快適な通信をご提供するシステムです。トイレやお風呂、2階の寝室など、今までWi-Fiが届きにくかった場所もすべてカバーして、どこにいても安定して接続できる通信環境を構築します。さらに、接続する端末ごとに最適なメッシュWi-Fiに自動接続が可能なため、自宅内で移動しても常に高速で安定した通信を利用できます。Wi-Fi 6対応のため、家庭内での複数台の接続や、オンラインゲーム・動画視聴などの同時利用も問題ありません。

メッシュWi-Fiは基本料金880円(2台)で、最大2カ月無料、セットアップ無料のお試し特典が付いています。また、コミュファ光には1ギガ、10ギガなどのプランがあり、10ギガメニューを選択すると最大10Gbpsの高速インターネットが利用可能です。Wi-Fi 6のメリットを最大限に活用していただくなら、Wi-Fi 6標準搭載の10ギガプランをおすすめします。

コミュファ光のメッシュWi-Fiの詳細は、こちらからご覧ください。

※「Wi-Fi」はWi-Fi Allianceの登録商標です。
※Wi-Fi通信を行うには、Wi-Fi対応の機器が必要です。
※Wi-Fi 6標準提供(10ギガメニューのみ)による。ご利用にはWi-Fi 6対応の機器が必要です。
※メッシュWi-Fi機器の電波が届く範囲および実効速度は、周囲の電波状況や住宅の構造など利用環境により大きく異なります。
※メッシュWi-Fiオプションでの月額料金は、機器2台セットでの金額となります。2023年8月以降、一部ホームゲートウェイにメッシュWi-Fi機能を追加いたします。該当のホームゲートウェイをご利用のお客さまはメッシュWi-Fi機器1台でのご提供となります。提供形態はお客さまにて選択いただけません。機器は1台あたり+440円/月で追加いただけます。
※メッシュWi-Fiオプションでのホームゲートウェイ標準提供の光ネットメニューのお客さまのみお申し込み可能です。
※メッシュWi-Fiオプションでの追加契約可能なメッシュWi-Fi機器台数は、3台までとなります。
※メッシュWi-Fiオプションでの課金開始月を含む6カ月の最低利用期間があります。途中解約される場合においても、契約解除料として月額料金1カ月分(880円)をお支払いいただきます。ただし、別途追加契約いただいたメッシュWi-Fi機器のみを解約の場合、契約解除料は発生しません。

まとめ

Wi-Fi 6を利用することで、通信の高速化、安定性向上、IoT機器との同時利用など、日常生活において大きなメリットを得ることができます。これから先、一般家庭におけるスマートホーム化や5Gの普及が進むなかで、最新機能を備えたWi-Fi 6は必要不可欠な存在となっていくことでしょう。また、テレワークの普及率が上がったことで、自宅での仕事の生産性を高めることも求められています。Wi-Fi 6対応機器を導入することで、ニューノーマルに対応した最新の通信環境を整えてみてはいかがでしょうか。

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Wi-Fi 6とは?概要や4つのメリットを解説

2023年6月27日