ISDNとは?特徴やメリット・デメリット、サービス終了の背景などを紹介

「ISDN」とは、信号をデジタル化して通話やインターネット接続を行う回線のこと。2024年にISDNにおけるデータ通信向けの「ディジタル通信モード」が終了することが決まりました。そもそもISDNとはどのようなものか、また、なぜデータ通信向けサービスが終了するのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。ここでは、ISDNの特徴やメリット・デメリット、そしてデータ通信向けサービスが終了する背景などについて詳しく解説します。特に自宅や事務所などでISDNをお使いの方は参考にしてみてください。

そもそもISDNとは?

まずは、ISDNとはどのようなものなのか、ISDNの基礎知識から解説していきましょう。ISDNとは、「Integrated Services Digital Network」の略で、日本語では「サービス総合ディジタル網」などと表記されます。ISDNは、通常の電話線(銅線)を使ったデジタル回線であり、音声データをデジタル変換して電話線で送受信する方式。従来の音声をそのまま電気信号として送るアナログ回線方式と比較して、音声が良かったり盗聴が難しかったりする特長があります。

デジタル化によって容量が抑えられることから、1つの電話番号で2つの回線が使用でき、音声通話とインターネット接続を同時に行うことも可能になりました。インターネットへの接続は、それまでのアナログ回線で接続する場合のダイヤルアップ方式よりも高速で通信できます。

ISDNは世界共通の規格として定められており、日本では1988年にサービス開始。その後1990年代後半から2000年代初頭にかけて、電話回線とFAXを同時に使いたい一般家庭や、多数の電話回線が必要な企業などを中心に、国内に広く普及していきました。近年では全盛期に比べると契約者数は減少していますが、現在もさまざまな用途で使用されています。

ISDN・ADSL・FTTHの違い

電話やインターネット向けの回線は上記のISDNだけではありません。「ADSL」や「FTTH」といった回線の名前を聞いたことがある方も多いはず。続いては、この2つの回線について、ISDNとの違いを比較しながら紹介します。

ADSLとは

ADSLは「Asymmetric Digital Subscriber Line」の略称で、日本語では「非対称デジタル化加入者回線」と呼ばれます。ISDNがデジタル回線を使用するのに対し、ADSLはアナログ回線を使用。通常の電話(音声通話)で使用する低周波帯域ではなく、高周波帯域を使うことで電話とインターネット接続の両方を同時に使うことができます。

ADSLは、上りの通信速度が最大1~5Mbps(メガビーピーエス:Mega bit per second)、下りの通信速度最大50Mbpsと上りと下りで大きく通信速度が異なるのが特徴のひとつ。これが「Asymmetric=非対称」と呼ばれている理由です。ISDNと比較して、通信速度ではADSLのほうが上回りますが、安定性ではISDNのほうが優れているといわれています。

一時期は広く普及したADSLですが、アナログ回線で使用していたメタルケーブルが徐々に光ファイバーに移行するにつれて、ほかの回線に切り替える事例が増加しました。その結果、現在では主流の回線とはいえなくなっています。

FTTHとは

FTTHは「Fiber To The Home」の略で、光ファイバーを使ってデータを送受信する、個人宅向けの通信回線のことです。同様の用語に「FTTB」(Fiber To The Building)や「FTTC」 (Fiber To The Curb)などがありますが、それぞれ光ファイバーがどこまでつながっているかで「FTT○」と区別され、つながっている場所以外の条件が同じであれば、個人宅内まで光ファイバーがつながっているFTTHが最も通信速度が速くなります。

その通信速度はADSLよりもさらに高速で、回線事業者によって異なりますが、上り下りとも1~10Gbps程度。さらにISDNやADSLは基地局から離れると通信速度が低下しますが、FTTHは基地局からの距離の影響を受けにくいという特長があります。

また、安定して接続できるため、快適にインターネットを利用できるのもFTTHの利点です。FTTHの光ファイバーを使った電話回線は「光電話」と呼ばれており、従来の固定電話よりも安価で提供されています。

ISDNを使うメリット

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ISDNが長年使用されてきたのには、それなりの理由があります。ここからは、ISDNを使用する際のメリットを見ていきましょう。

通話品質が良い

ISDNでは音声信号をデジタル化して伝送するため、音声をアナログのまま電気信号で伝送するアナログ回線と比較して音声品質が向上し、会話が聞き取りやすい点がメリットです。安定性にも優れ、会話中に相手の声が聞こえにくくなったり途切れたりすることがほとんどありません。また、相手との距離が離れていても高い通話品質を保てるのも大きな強みです。ノイズも少ないので、特に安定した通話品質が求められるビジネス向けの電話回線に向いているといえるでしょう。もちろん、一般家庭向けにも音質にこだわりたいときには、ISDNが選択肢となっていました。

盗聴されにくい

アナログ回線は音声を直接電気信号で伝送するため、その信号さえキャッチできれば比較的容易に盗聴されてしまいます。電話機本体やモジュラージャック、保安器など音声信号が通過するあらゆる場所で盗聴される恐れがあるのです。

一方、ISDNは音声をデジタル化して伝送するので、伝送路から電気信号を拾っても会話内容が分からず、ただのノイズに聞こえます。人の声として認識しづらいため、会話内容が漏洩する可能性は低く、比較的安全といえるでしょう。

ISDNを使うデメリット

FTTHが主流となった昨今では、ISDNを使用する際のデメリットも浮き彫りになっています。その主なものについて紹介するので、ISDNから乗り換えを考えている方は参考にしてみてください。

通信速度が遅い

ISDNは、通話とインターネット接続の両方に対応している点がメリットですが、インターネット接続時の通信速度は決して速くはありません。FTTHなどの光回線の最大速度が1~10Gbpsであるのに対して、ISDNではわずか64kbps(1Mbps=1,000kbps)。1/1,000以下の速度でしかありません。

この速度では動画視聴にはかなり支障があると考えられるので、スムーズな再生を期待することはできないでしょう。もちろん、オンラインゲームやWeb会議も同様に支障が出ることが考えられます。さらに、快適なWebページ閲覧のためには1~5Mbpsの速度が必要とされているので、インターネットで検索をするだけでも一苦労です。

2024年に一部サービスが終了してしまう

国内におけるISDNは、1988年にNTTグループが「INSネット」(64および1500の2種類)としてサービス開始。前述の通り、一時期は広く利用されるようになりましたが、2024年1月にINSネットの「ディジタル通信モード」の提供を終了することをNTTが発表しました。

INSネットには、上記の「ディジタル通信モード」と「通話モード」があり、サービス終了するのはディジタル通信モードのみ。引き続きISDNによる通話はできる状態です。しかし、ISDNをインターネット接続で使用している方は、サービス終了までに代わりの通信手段を確保しなければなりません。

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ディジタル通信モードは現在でもPOS(販売情報管理システム)やCAT(信用照会端末)、EDI(電子商取引)などの業務用としても使用されており、2027年頃までは「切替後のINSネット上のデータ通信」が補完策として提供される予定です。サービス終了の背景に関しては、次章で改めて説明します。

ISDNの通信サービスが終了するのはなぜ?

前章の通り、ISDNのディジタル通信モードは2024年にサービスを終了する予定です。サービス終了にはさまざまな理由があると考えられますが、主な理由は次の2点だと考えられます。

契約者数の減少

まず考えられるのが契約者数の減少です。近年、固定電話自体の需要が低下しているのに伴い固定電話の契約数が減少しています。1997年から2017年の20年の間に約67%、件数にして4,228万件が減少。通信回数や通信時間といった使用頻度を表す数値も、2000年から2016年の間で90%以上減少しており、実際に固定電話が使われなくなっていることが分かります。

さらに、前述の通り、ISDNの通信速度は64kbpsと非常に遅く、しかも料金も割高です。これが原因となって、最大1~10Gbpsの高速通信で、しかも割安な光回線へ移行する利用者が圧倒的に増加しました。動画配信やオンラインゲームなど、以前ではあまり考えられなかった大容量で素早い反応が要求されるコンテンツが増加してきている現在、光回線がインターネットの接続回線として主流になっています。

設備の老朽化

もう1つの理由として考えられるのが、設備の老朽化です。ISDNで使用している固定電話向けアナログ電話網(PSTN、公衆交換電話網)の設備の保守が困難になり、2025年には従来の機能が維持できなくなると予測されています。これに伴いNTTは、アナログ電話網をIP網に移行することを決定しました。このIP網への移行によって、ISDNのディジタル通信モードのサービスが継続できなくなるのです。

ちなみに、IP網への移行によって、ISDNディジタル通信モードのほかにも、着信用電話や短縮ダイヤル、ナンバーアナウンス、114(お話し中調べ)などのサービスも終了。また、IP網への切り替えは、2021年1月からIP接続を開始しており、2024年1月に固定電話の切り替えが開始されます。2025年1月には切り替えが完了する予定です。

コミュファ光のインターネット+電話サービスなら通信も通話も快適!

「コミュファ光」は、中部テレコミュニケーション(ctc)が提供する光インターネットサービス。ここではコミュファ光の光インターネットサービスと光電話サービスについて、その特長とともに紹介します。

インターネットを快適かつ安全・安心に楽しめる!

コミュファ光は、最大10Gbpsの超高速回線。Webサイトの閲覧はもちろん、動画やオンラインゲーム、Web会議など容量が大きかったり、機敏な反応が必要なコンテンツであったりしても快適にインターネットを楽しむことができます。

24時間365日体制でネットワークのデータ通信量や機器の状態を監視し、通信量が増えて回線が混雑しそうになったら、事前に回線を増強して通信品質を維持。常に快適で安定した状態を保ちます。

さらに、コミュファ光では無線LAN(Wi-Fi対応)付きブロードバンドルーター機能を備えたホームゲートウェイを標準提供。最新の無線LAN規格「Wi-Fi 6」に対応しているため、LANケーブルの配線やパソコンなどの設置場所を気にせずに、高速で快適なインターネットを楽しむことができます。

また、ご契約いただいているお客さまには、パソコンやスマートフォンをウイルスから守るセキュリティ対策ソフトも提供中。コミュファ光なら追加料金がかからずに、安全安心に高速通信でインターネットをご利用いただけます。

※本サービスはベストエフォート型サービスです。記載の速度は技術規格上の最大値であり、実際の使用における一定の通信速度を保証するものではありません。また、お客さまのご利用機器、設定状況、LAN環境などにより、通信速度は異なります。
※ウイルスバスター クラウド 月額版(1台版)を提供します(30メガメニューを除きます)。
※「Wi-Fi」はWi-Fi Allianceの登録商標です。
※Wi-Fi通信を行うには、Wi-Fi対応の機器が必要です。
※Wi-Fi 6標準提供(10ギガメニューのみ)による。ご利用にはWi-Fi 6対応の機器が必要です。

月額料金や通話料金を抑えて通話できる!

コミュファが提供する「光電話」は、コミュファ光の光ファイバー回線を使った電話サービス。電話回線を使わないためNTT加入電話の基本料金が不要で、月額基本料330円(通話料などは別)ととてもおトクです。

通話料金は、日本全国どこにかけても3分8.8円の一律料金で、気軽に長距離通話できるのも特長。また、コミュファ光とau 携帯電話をセットでご契約いただいているお客さまは、「auまとめトーク」が適用され、コミュファ光電話同士だけでなく、「auおうち電話(マイラインは除く)」
「auおうち電話」・au・UQ mobile・povo1.0/2.0とも無料通話が可能です。もちろん通話品質は従来の固定電話と同じですので安心してご利用いただけます。

番号ポータビリティをご利用いただくことで、基本的に電話番号を変えずに今までの電話機(一部の電話機(ISDN専用電話機、電話機能付インターフォンなど)を除く)をそのままご使用可能。電話機を買い替えるなどの、余分な出費や手間がかからないことも魅力です。

※auまとめトークは個人向けサービスです。
※KDDIのマイラインなどNTT加入電話はauおうち電話の通話無料対象外です。
※コミュファ光電話のご利用には、コミュファ光ネットのご契約が必要です。
※光電話は、通話料およびユニバーサルサービス料、電話リレーサービス料が別途必要となります。

まとめ

インターネット黎明期にサービスを開始し、当初は画期的な通信方法として通信手段の一翼を担ってきたISDN。その後登場したADSLやFTTHなどの新たな回線に主役の座を奪われ、ついにディジタル通信モードが終了となります。長年ISDNを利用してきた方にとっては名残惜しいところもありますが、サービス終了までにできるだけ早く代わりの通信手段を見つけて乗り換えるのが得策といえるでしょう。

「コミュファ光」は通信速度や品質に優れ、オプションサービスとしておトクな「コミュファ光電話」も提供しているので、ISDNの乗り換え先として最適な回線サービスです。この機会にコミュファ光への乗り換えをぜひご検討ください。

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ISDNとは?特徴やメリット・デメリット、サービス終了の背景などを紹介

2023年6月1日